8.おサイフにも嬉しい、

   「低燃費」な住まいをデザイン

突然ですが、ここで質問です。

あなたは、「コミコミ価格の建て売りの家」と「高性能な家」、どちらを買いたいですか?

 

一般的に、多くの方が「建て売りの家」を選びます。

なぜなら、価格が安いから。

断熱性の高いエコハウスは、性能が高い分、一般的な建て売りの家よりも手間やコストがかかるものです。

総額やローンの返済額で比較するとどうしても、

より安くて経済的に負担の少ない、「建て売りの家」を選ぶケースが多くなるのです。

 

続いて、もうひとつの質問です。

「普通の車」と「低燃費な車」、どちらを買いたいですか?

今度は、「低燃費な車」を選ぶ方がぐっと増えます。

本体価格は高くても、ガソリン代が安くなるからトータルでみればお得。

そう考える方が多いから、燃費性能を重視したエコカーが支持されているのです。

 

ここで「あれ?」と思いませんか? 

車は「高くても高性能」なものを選ぶのに、家は「安ければ普通でいい」

 

これって、なんだか矛盾していますよね。

 

たしかに、車と家とではそもそもの価格が大きく違いますが、家だって「トータルでみればお得」なほうが、いいに決まっています。

 

高性能なエコハウスは、

「低燃費な家」。

 


一生に一度の買い物である家だからこそ、燃費性能を重視するべきなのです。

 

分かりやすく、「一般的な建て売りの家」と「低燃費な家」を、それぞれ30年ローンを組んで建てた場合の試算をしてみましょう。

一般的な建て売りの家が1,800万円だとします。

金利などを抜きにして考えると、月々の返済額は5万円。

一方、低燃費な家が2,175万円とすると、毎月の返済額は約6万円で、おおよそ2割増しになる計算です。

ここに、暮らすために必要な光熱費を足してみましょう。

 

36坪の家の場合、現在のエネルギー価格で計算すると、年間の光熱費は25万円ほどかかるといわれています。

25万円×30年で、トータル750万円分。

月々、約2万円の支出になる計算ですね。

 

エネルギー消費量が普通の家の半分で済む、低燃費な家の場合は、光熱費が半分になるのですから、毎月の支出は1万円。

つまり、どちらの家を選んでも、月々の支払いは同じ7万円になります。

言い換えれば、普通の家でかかるはずの30年分のエネルギーコスト375万円分もの差額を

住まいのグレードアップに使って高性能な家を手に入れられたということです。

 

しかしまだ、総額だけでみれば「トータルでお得」とはいえません。

大切なのは、これまでの項でもお話ししてきたとおり、

 

「高性能な家」は、家族の健康を守り、毎日の暮らしをぐっと快適にしてくれるということ。

 

金額は同じでも、付加価値がまったく違うので、「トータルでお得」となるのです。 


さらに、もっと広い視野で考えてみましょう。

先ほどの試算は、あくまで現在のエネルギー価格で算出しましたが、

30年後もエネルギー価格が同じであるとは限りません。

むしろ、1970年代のオイルショックの後、わずか10年で電気料金が2倍になったことを考えると、

近い将来また原油価格が高騰し、エネルギー価格が上がる可能性は高いのではないでしょうか。

 

普通の家を選んで、この先もしもエネルギー価格が倍になったら…?

将来のリスクヘッジを考えると、やはり「低燃費な家」を選ぶのが賢い選択です。

 

ちなみに、最近よく聞く「ゼロエネ住宅」「省エネ住宅」は、

エネルギー消費量を抑えつつ、必要なエネルギーを太陽光発電でまかなう、という考えに基づいたエコ住宅。

しかし、高効率エアコンなど省エネ設備のみでエネルギー消費量を抑えて大容量の太陽光発電パネルを搭載し、

見せかけの数値だけでゼロエネをうたった「ニセモノエコハウス」があるのも事実です。

エアコンなどの「高性能な設備機器」は、高気密・高断熱の「高性能な家」に比べて耐用年数が短く、設備機器にたよったニセモノエコハウスは、資産価値が低い家と言わざるをえません。

また、太陽光発電パネルも、技術の進歩により年々性能が上がり、価格は下がってきています。

後から断熱性や気密性を高めるリフォーム工事をおこなうよりも、

あらかじめ高気密・高断熱の低燃費な住まいを建てて、後から太陽光発電システムを追加するほうが、ずっと楽でずっとお得。

 

 

初期投資だけにとらわれず、低燃費高性能な資産価値の高い家づくりを目指しましょう。